奨学会文化部 講演会

2023.12.01 13:41
本校の保護者様の会(奨学会)の文化部が主催となって、毎年講演会を企画・運営してくださっています。
コロナ禍をきっかけに教育現場でのICT機器の活用が加速化して、今では本校でも一人1台iPadの所持が〝当たり前〟となっていたり、登下校時の安全確保のため、キッズ携帯電話・スマホをもつ子も多かったりすることから、子どもたちのネット利用や情報モラル教育に関しては、教職員も保護者様も喫緊の課題の一つと捉えていました。そこで、今年度は「家庭における好ましいネット利用のあり方」についてご講演いただくことにしました。
今回、講師にお招きした古谷成司先生は、千葉県内の教育委員会の指導主事や公立小学校の教頭・校長を歴任された後、NPO法人 企業教育研究会にて企業と連携した授業づくりやご講演等を行いながら、よいよい授業や教育のあり方を広めたり推進されたりしていらっしゃいます。
講演では、まず、動画を拝見しました。
スマートフォンを買ってもらって大喜びの女の子。フィルタリングに不便を想像し、フィルタリングをしなくても気をつけていれば大丈夫と考えて使い始めるが、夢中になっているドラマの配信に関心をもっておうちの人に黙って課金しようとしたり、無料サイトを見つけてクリックしたりしてしまう。その結果、10万円の請求が届いたり、個人情報を明らかにすると脅されたりして……。
この動画のような被害だけでなく、子どもにスマートフォンを持たせることについて、「長時間の利用」「依存症傾向「目が悪くなる」「ネットいじめにあう」こと等の不安はつきものです。古谷先生からは、これらの不安に対して大人が一方的に〝禁止するルール〟を子どもに与えるのではなく、子どもと一緒にルールをつくっていくことが大切だということを教えていただきました。
古谷先生が以前、校長としてお勤めになっていた小学校では、子どもたちから「休み時間にタブレットを使わせて欲しい」という訴えがあったそうです。その訴えに対して、「ダメ」と即断したり一方的にルールを与えたりせず、代表委員会で子どもたちに「どうすれば先生方が心配する〝課題〟に陥らないか」を話し合わせたそうです。繰り返し繰り返し話し合いを経て子どもたち自らつくったルールは、その後、破られることは一切なかったそうです。子どもを伸ばし育てることの大切な視点についても、古谷先生から教えていただいた気がしました。
また、災害時、SNSの活用によって命が救われた例もご紹介いただきました。スマートフォンの利用を不安や悪と捉えるばかりでなく、「自分が幸せになる」「他人が幸せになる」「社会が幸せになる」、そのような〝デジタルシチズンシップ〟教育の推進にも力を注いでいくべできあることも教えていただきました。
平日の、月初めの日の開催でしたが、講演会には多くの保護者様にご参加いただきました。
本日ご参加になれなかった方には、オンデマンド配信にてご覧いただけるようにしています。