子どもたちの姿・声のない小学校は、とても寂しいです。
お子さんは、元気に過ごしていますでしょうか。
さて、本校スクールカウンセラーの田中が、新型コロナウイルスに対して不安を感じているお子さんへ、保護者の皆様がどのように対応すればよいかをまとめました。ご参考になさってください。
新型コロナウイルスに対する不安を強く訴える子ども達への心のケアについて
田中寿夫(スクールカウンセラー)
この度は、連日の新型コロナウイルスに関する報道を受け、不安を強く訴える子ども達がいた場合、その不安に対して大人がどのようにケアしたらよいのか、そのポイントについてお伝えしたくご連絡させていただきました。すべての子ども達に必要なものではないと思いますが、もし必要な方がいらっしゃった場合、ちょっとでもお役に立てたら幸いです。
ユニセフが“災害時における子どもの心のケア”のポイントをまとめています。この資料は災害後の心のケアを想定して作成されたものです。しかし、今回のような社会的に動揺が大きい事態の渦中、その後のケアにも十分応用できるものだと思います。本来ならば要約したうえでお伝えすべきと存じますが、原文をお読みいただいた方が子どもへのケアの全体像を把握しやすいかと考え、原文の存在の情報提供とさせていただきました(原文は短く、10分もかからずに読めるものとなっています)。
特に、原文にある「3.被災地の映像を繰り返し見せないでください」についてです。現在、子ども達は、在宅時にワイドショーなどで、コロナウイルスに関する報道に沢山触れているかもしれません。適切な情報を入手することは大切です。しかし、過剰な情報は時に不安感を高めてしまいます。また不安が高まるからこそ、さらに報道を見続けてしまうという悪循環が引き起る場合もあります。子ども達のTV視聴に関しては、そのような報道に過剰に触れることを制限し、日ごろから好んでいる番組やDVDなどを視聴させてあげてください。
他方、非日常的な出来事が起こると、子ども達だけではなく、大人も動揺します。それは当然なことです。その不安を子ども達に示さないことは、とても難しいことだと思います。大人が感じるその不安については、まずは親しい大人同士で共有し、互いに受け止め、支え合うことを通じて、落ち着いた気持ちを取り戻していけたらと思います。このような時期だからこそ、大人も子ども達と一緒に体を動かして楽しく遊ぶ、家族で楽しいと思えることをする、のんびりするなど、あえてリラックスすることも役立つと考えられます。
現在、子ども達は、不安な状況の中でも落ち着いた対応をとられている皆さまの姿に勇気づけられ、また、そのような大人達の後ろ姿からきっと困難を乗り越えるための生き抜く力をたくさん学んでいるかと思います。今後、私もスクールカウンセラーとして、皆さまとご一緒に子ども達の心のケアにあたっていきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
それでは失礼いたします。