昭和学院小学校では、10年以上前から子どもたち一人に一台のタブレット端末や、電子黒板を活用した授業が当たり前に行われています。「子どもたちの学びにとって何が最適か」から発想し、デジタル、アナログそれぞれの利点を生かしながら使い分けるのが昭和学院小学校流。「知る」を「解る」に変え、子どもたちが輝く授業を常に追究しています。
昭和学院小学校では授業をとても大切にしています。ただ教科書をなぞるような授業ではなく、子どもたちが自ら興味をもって学びに取り組んだり、友達と意見を共有しながら考えを深めたり新たなアイデアを生み出したり。そんな仕掛けをたくさん盛り込んでいます。
昭和学院小学校では、2000年代の初めの世の中でICT活用が話題になるずっと以前から、授業の中でICTを活用してきました。「ICTがあるから使う」のではなく、子どもたちに何を学ばせたいか、どのようにして子どもたちの素直な見方や考え方を引き出すか、そのためには何を使えばより効果的なのかを考えた結果、最も効果的な場面でICTを活用しています。ですから、アナログの黒板やノートも使いますし、電子黒板やタブレット端末などのデジタルツールを使うこともあれば、両方を組み合わせて使うこともあります。どんな時でも、「今、子どもたちに何が必要か」が先にあって、状況に合わせてICTを活用しています。
ICTの活用によって、子どもたちの意見や考えが容易に共有できるようになり、より考えを深めることが可能になりました。また、ICTによって表現の可能性が広がったことで、子どもたちの学びの意欲が高まり、それが自信にもつながっています。
過去の学びを振り返ったり、子どもたちの成長を確認することができたりするのもICTの利点です。教員にとっては、作業の効率化につながり、より子どもたちと向き合うことに注力することができます。
私たちが目指しているのは、「まだ、誰も見たことがない授業」です。「前にこういう授業をしたらうまくいった」は、既に過去のものです。教師は常に、自らをアップデートし続けていかなければなりません。新しいテクノロジーを活用することで、子どもたちの可能性をどこまで広げられるか。私たちは日々挑戦しています。そして、教師自身が学び続ける姿を見せることで、子どもたちの心の中に学びの芽が育っていくものと期待しています。
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ICTの活用で、たとえばタブレットで自分の作ったリズムを可視化するなど従来はできなかった活動も。子どもたちの思考や表現の可能性が広がっています。
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欠席管理や保護者への連絡、教員間の情報共有にICTを活用するほか、すべての教科でICTを使い音声や動画を用いた効果的な授業を行っています。
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ICTでアレルギーなど子どもたち一人ひとりの情報を記録し適切なケアに役立てています。授業でもICTを活用することで子どもたちの関心が高まると感じます。
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タブレットは習字のお手本にも。紙のお手本を横に置くよりも見やすく、お手本を見ながら書くことが苦手だった子も、習字が目に見えて上達しています。
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観察日記や実験記録にもタブレットを活用します。タブレットで写真を撮って変化の様子を記録したり、自分の記録を他の子と比較したり。観察、考察など理科本来の学びが深まっています。
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演奏が苦手な子はアプリに演奏を任せて、曲作りや音作りといった音楽本来の活動に発想や思考を集中させることができます。ICTが子どもたちのやる気や可能性を広げてくれます。
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言葉で説明しなくても目で見て算数のきまりや法則を見つけられるところがタブレットの良さ。上から書き込んだりやり直したり、試行錯誤が簡単にでき、自分で学びを深められるのも利点です。
専用の教材を使って、プログラミングの授業を行います。この教材の最大のポイントは、パソコン上で完結するのではなく目の前にある“モノ”を実際に動かしトライ&エラーを繰り返してゴールに到達できること。このプロセスこそがプログラミング的思考を育てます。
簡単にやり直しができる、記録を蓄積し子どもたちの成長を可視化できる、友達の答えを簡単に共有できるなど、ICTで学びが拡張します。